第30回 Think-in:2023年10月3日
ゲスト:篠永浩 三豊総合病院 副薬剤部長
テーマ:「病院薬剤師によるポリファーマシー対策と地域連携対策の実践手法」
今回はリモート発信によるゲストプレゼンでしたが、いつにも増して質疑が盛り上がりました。
ポリファーマシーの取り組みを、薬剤師だけでなく、病棟医師を含む多職種によるカンファを通じて実践することで、その実効をあげていることがよく理解できたと思います。単に「減薬」だけを目標とするのではなく、服薬に関する患者さんのアドヒランス向上を実現する取り組みでもあるように思いました。
第29回 Think-in:2023年7月21日
ゲスト:大石佳能子 株式会社メディヴァ 代表取締役社長
テーマ:「明るい地域医療を目指して」
第28回 Think-in:2023年6月20日
ゲスト:田前雅也 日本製薬団体連合会 国内生産確保プロジェクト プロジェクトリーダー
(Meiji Seika ファルマ株式会社 生産本部副本部長)
テーマ:「わが国の安全保障と医薬品」
今回も会場参加者との質疑が盛り上がりました。
抗菌剤(抗生物質)の多くが原薬の供給を海外、それも特定の国に頼っている現状、同様の事態は多くの先進国で生じており、各国それぞれに健康安全保障の観点も含めて供給確保のための様々な対策を講じていること、技術者を含め国内企業の基礎的医薬品の製造能力の空洞化が懸念されていることなど、医療用医薬品を巡る課題が理解いただけたのではないかと思います。
前回も申し上げましたが、今や、医薬品というのは当たり前に手に入るもの、注文すれば届くものではなくなりつつあり、産業政策のみならず安全保障という視点からこの問題を考えなければならなくなってきている、という現実を真剣に考えなければならないと痛感しました。
第27回 Think-in:2023年5月17日
ゲスト:三村優美子 青山学院大学名誉教授
テーマ:「薬価制度の改革と流通モデルの転換-医薬品の安定供給のために必要なこと-」
今回は会場参加が20人を超え、会場参加者との質疑が盛り上がりました。今回から会場の様子がわかるようなカメラ設定を始めましたので、オンライン参加の会員にも会場の様子が伝わったと思います。
医療機関も患者も、医薬品というのは当たり前に手に入るもの、注文すれば届くものと考えています。これまでは実際にそうでした。しかしそれを可能にしているのは、医薬品流通を担っている卸の地道な努力と取り組みがあってのことだ、ということが理解いただけたのではないでしょうか。今回のThink-inが、医薬品サプライチェーンが持っている機能、価値に目を向けるきっかけになったらと思っています。
第26回 Think-in:2023年4月10日
ゲスト:黒江哲郎 元防衛事務次官(現三井住友海上火災保険株式会社 顧問)
テーマ:「転換する我が国の安全保障政策~直面するリスクと対応~」
安全保障、平和憲法、自衛隊、集団自衛権、国民の間でも大きく立場の異なる難しいテーマでしたが、日本が置かれている東アジアの安全保障環境、地政学的な立ち位置、直面する課題、そして今回の防衛3文書が提起している問題について、わかりやすくデータに基づいて解説していただけたと思います。
医薬品の安定供給問題も健康安全保障であると同時に経済安全保障でもあり、広い意味での国防に関する課題であることも改めて認識できたように思います。
第25回 Think-in:2023年3月29日
ゲスト:川越正平 松戸市医師会長
テーマ:「地域の生活といのちに責任を持ち続ける地区医師会を目指して」
第24回 Think-in:2023年2月22日
ゲスト:安藤高夫 医療法人社団永生会 理事長
全日本病院協会 副会長
日本慢性期医療協会 副会長
テーマ:「在宅医療・かかりつけ医・ICT~コロナ禍での地域医療の実践(3) 「地域密着病院における取り組み」 」
安藤先生からは、地域密着病院の視点から、ケアミックス・慢性期救急・医療介護連携・在宅医療・病院救急車の活用など、具体的実践例を交えながら地域医療の課題とそれへの取り組みについてお話を伺うことができました。
これまで多くのゲストの方が話されていたように、事業者間でも行政との関係でも、日頃からの「顔の見える関係」の構築と情報連携が重要であることが改めて認識できたと思います。
第23回 Think-in:2023年1月24日
ゲスト:望月諭 医療法人社団のぞみの明 日野のぞみクリニック理事長
テーマ:「休日・夜間往診体制の実装による地域包括ケアシステムのupdate(東京都日野市における取組について)」
望月先生からは、外来・訪問診療・夜間休日対応(往診)といった地域医療を支える機能を、地域の医療機関がそれぞれに分担し、かつ外部のリソースも活用しながら「面で支える」地域完結の医療体制をつくる実践のお話を伺いました。
コロナ禍への対応を模索する中で、各地でさまざまな試行錯誤の取り組みが行われ、新しいサービス、新しい連携の取り組みが生まれました。この形を平時の提供体制に生かし、2040年の世界でも耐えられる地域医療・介護の形をどう作っていくのか。非常に大きな示唆がいただけたのではないかと思います。
第22回 Think-in:2022年12月14日
ゲスト:遠矢純一郎 医療法人社団プラタナス 桜新町アーバンクリニック院長
テーマ:「ウィズコロナ時代のプライマリケアとICT」
遠谷先生からは、日々の実践をベースに、ファクトに基づいた在宅医療の到達点と可能性についての解説をいただくことができました。とてもわかりやく、多くの現場が直面する共通の課題についてもお話しいただいたので、医療現場の方々にとって示唆に富むものであったと思います。
第21回 Think-in:2022年11月11日
ゲスト:矢野康治 前財務事務次官(現財務省顧問)
テーマ:「わが国の財政について」
先に取りまとめられた「総合経済対策」のために、総額29兆円の第二次補正予算が組まれようとしていますが、うち22兆円は赤字国債の新規発行で賄われます。日本の債務残高は国債に政府借入金や政府短期証券を含めると1400兆円を超えています。GDPの2倍をはるかに超え、あまりにも巨額で、我々国民も経済界も政治家も、どこか感覚が麻痺しているように思えます。
しかし、巨額の財政赤字は政府の問題解決能力を奪い、この国の体力を確実に奪っていきます。
Post truthの時代、人は「聞きたくないことは聞かない」「鬱陶しい話には耳を貸さない」状態で、財政健全化を訴え続ける財務省は当然(?)ながらあまり評判が宜しくなくて、根拠のない楽観論を唱える人々の方がもてはやされます。
今回のThink-inは、そんな中で、誰に対してでも正論で立ち向かう気骨ある官僚だった矢野前次官のお話を直接伺う貴重な機会だったと思います。国家財政の問題については、皆さんそれぞれに意見はあると思いますが、客観的な事実として、今この国の財政がどうなっているのか、きちんと認識することは非常に重要なことではないでしょうか。
第二部の討議の中でもお話ししましたが、社会保障費は国の歳出予算の中で最大の歳出項目であり、一般歳出(政策経費)の半分を占めています。社会保障抜きにこの国の財政を語ることはできません。
国家財政と社会保障は切っても切れない関係にあります。普段意識することのない(かもしれない)財政や経済・金融の問題について、皆さんが考える機会になったなら幸甚です。
当日の様子と配付資料・参考資料は会員向けフォルダー(「臥龍Think-in」)に収納されています。
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